関西文学散歩  第450回
    「花はさくら木」 辻原登 特別講演とその舞台
            関西大学天六校舎で講演終了後 大川堤を 蕪村生誕地毛馬へ
講師 作家・辻原 登(つじはらのぼる)先生
          1945年、和歌山県生まれ。 1985年に『大かけて』で作家デビュー。                
          1990年『村の名前』で芥川賞を受賞後、 1999年『飛べ麒麟』で読売文学賞           
          2000年『遊動亭円本』で谷崎潤一郎賞、 2005年『枯葉炎』川端康成賞     
          2006年『花はさくら木』で大佛次郎賞   2010年『許されざる者』で毎日芸術賞
          2011年『闇の奥』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。 最近の著作に『韃靼の馬』           
              (日経新聞朝刊連載434回)、『東京大学で世界文学を学ぶ』(集英社刊)
花はさくら木』時は宝暦年間、上方で爛熟した元禄文化の終焉期、京・大坂を舞台に後桜町天皇として即位する智子内親王、田沼意次、架空の北風組頭領の娘・菊姫など、そして 与謝蕪村、炭太祇、上田秋成、木村蒹葭堂、若き円山応挙などを配して繰り広げる小説
 「重商主義」的な政策から、田沼意次や大阪の鴻池が登場とー
政治や経済についても 小説ながら書いている
 
清明上河図(張択端-筆)を見て 淀川両岸図巻を円山応挙描くことも 本小説に

清明上河図の公開
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清明上河図(張択端-筆)とは、中国の宋代の都・開封の都城内外の清明節の日の 情景を描いた
画巻である。縦 35.6cm、 横 1152.8cmある
淀川両岸図巻 (円山応挙筆)京都から大坂まで淀川を船で下る行程を、全巻幅42p、長さ1690.5pの長大な画巻に詳細に描いている。 実業家原六郎(1842〜1933)の旧蔵品
 小説では 清明上河図に感動して この淀川両岸図を 円山応挙が描いたと
講演後 大川堤を 春爛漫の
さくら を 見ながら 小説に 登場する
与謝蕪村の 生誕地へ ウォーキング

 下記は 蕪村生誕地の 石碑
   「春風や
        堤長うして
             家遠し」
  この生誕地石碑周辺約1ヘクタールは蕪村公園で句碑13基が設置されています
                    @春の海終目のたりのたりかな
                    Aなの花今月は月は東に日は西に
                    B遅き日のつもりて遠きむかし哉
                    C夏河を越すうれしさよ手に草履 
                    D閻王のロや牡丹を吐んとす 
                    E夕風や水青鷺の脛をうつ 
                    Fいな妻や浪もてゆへる秋津しま 
                    G鳥別殿へ五六騎いそぐ野分哉 
                    Hかなしさ今釣の糸ふく秋の風
                    I楠の根を静にぬらすしぐれ哉
                    J斧入れて香におどろく今冬本立
                    K芭蕉去てそののちいまだ年くれず
                    L柳散り清水涸れ石処々
                                           ☆撮影-2011.04.10 天候:晴☆ 
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