2008年10月12日 関西文学散歩・第420回に参加
織田作之助は今年95歳。むろん、1947年に33歳の若さで亡くなっていなければですが、
その織田作之助は、小説「郷愁」の主人公<新古>を、夜の8時に清荒神駅(阪急)から大阪中央郵便局に向わせて
います。<新古>は、東京の雑誌社からの注文原稿の締切に遅れていて焦っていました。
そして、「編輯者の怒った顔を想像しながら、蒲団のなかにもぐり込んで、眼を閉じた途端、新古はふと今夜中に
書き上げて、大阪の中央郵便局から速達にすれば、間に合うかも知れないと思った。近所の郵便局から午後三時に
送っても結局いったん中央局へ廻ってからでなければ、汽車には乗らないのだ。/そう思うと、新古はもう寝床から
這い出していた。……」と。
写真は 2008年10月12日撮影です 昭和14年の建設で 織田作之助が 速達投函した 当時と 変わって いません。 当時は 大阪市営路面電車が 走行していました 明治4年(1871)3月1日(新暦4月20日=郵政記念日)に、大阪・京都・東京に「郵便役所」が設置され開業しました。 |
講 師 宮川 康(みやがわやすし)先生 織田作之助研究者・大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎教諭 1958年、大阪府生まれ。大阪教育大学大学院修士課程終了。 大阪教育大学、大阪府立看護大学、阪南大学の非常勤講師として「文学」の講義を HP「織田作之助研究」運営。 著書:『大阪近代文学事典』織田作之助」の項担当。 近刊に和泉ブックレット『近代文学の中の関西弁』(共著) |
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